抗てんかん薬の副作用とは?

抗てんかん薬は脳の神経細胞における過剰な興奮を抑制します。その作用が過剰になった場合、中枢神経が抑制され、眠気やふらつきなどの症状が出現します。これらは、ほとんどの抗てんかん薬に共通して出現する副作用です。

眠気やふらつきなどの共通する副作用の他に、代表的な薬剤に出現しうる副作用について、いくつか例を挙げて説明します。

なお、副作用には、①飲み始めに出るもの、②服薬量が多いために出るもの、③アレルギーにより特定の人に出るものがあります

①飲み始めの副作用(眠気,頭痛,めまい,ふらつきなど)は、薬を少量から開始しゆっくり増量することで防ぐことができます。

②服薬量が多いための副作用(視界がぼやける,複視,ふらつき,めまいなど)は,服薬後に一過性に出現します.減量か服用回数を増やすことで改善できます。

③アレルギー反応による副作用(薬疹,骨髄抑制,肝障害など)はほとんどは飲み始めの数ヶ月以内に出現し、多くは服薬を中止すれば改善しますが、重症になることがごくまれにあります。アレルギー反応は予見できないため、少量で開始して注意を怠らないことが大切です。
 

○フェニトイン:歯肉増殖

歯茎が腫れます。長期服用患者の約20%に出現します。口腔内を清潔に保つことにより、ある程度は予防できます。増殖がひどい場合は歯肉の切除が必要となることもあります。

○カルバマゼピン:白血球減少

治療開始の数ヶ月以内に生じやすく、子供の約12%、成人の約7%にみられます。臨床的に問題となることはそれほどないといわれています。

○フェノバルビタール:小児における多動、興奮、かんしゃくなど

治療初期に一過性に出現し、1年以内に消失することが多いという報告があります。

○ゾニザミド:体温上昇

発汗減少があらわれることがあり、特に夏季に体温上昇に注意が必要です。発汗減少の機序については十分解明されていません。小児での報告が多くあります。

○バルプロ酸ナトリウム:高アンモニア血症

原因については色々な説があり、腎臓でのアンモニアの産生増加、尿素サイクルの障害などがいわれています。治療として、腸管でのアンモニア産生・吸収を抑制する薬剤や、カルニチンの投与が行われることがあります。

○エトスクシミド:吐き気、嘔吐などの消化器症状

服用開始数日以内に起こることが多く、小児では20%~33%の割合でおこるといわれています。症状は通常軽く、投与中止になることはほとんどありません。

○ベンゾジアゼピン系(ジアゼパム、クロナゼパム、クロバザムなど):呼吸抑制

高齢者や慢性肺疾患患者であらわれることがあります。睡眠時無呼吸症候群を悪化させることがあります。筋弛緩作用が強い薬剤ほど抑制作用が強いといわれています。

○ガバペンチン:体重増加

長期間、高用量服用患者において報告されています。

○トピラマート:腎結石

国内臨床試験において2.6%に認められています。いずれも軽度もしくは中等度で投与が中止されるまでには至っていません。炭酸脱水素酵素阻害剤との併用やケトン食療法中において起こりやすく、結石のリスク軽減に十分な水分補給が推奨されています。

○ラモトリギン:アレルギー性皮疹

他の薬より格段に多い訳ではありませんが、服用開始後2月以内にみられ、身体にはしかのようなぶつぶつがみられると、薬は中止せざるを得ません。バルプロ酸との併用や、多量をいきなりはじめたときなどに多いと言われています。

○レベチラセタム:気分変動

稀ですが、気分の変動や易刺激性がみられることがあります。