情報室てんかんに関する記事・情報源(雑誌や書籍の案内)を掲載します。

第2章 検査と治療

1)検査

てんかんを正しく診断して的確な治療を行うためには、いろいろな検査が必要です。脳波検査は、脳細胞の電気活動の乱れを知るのに役立ちます。検査は、頭皮に電極を貼って眠っている間に終わります。痛みは全くありません。脳波検査の前に日頃飲んでいる薬を中止する必要はありません。症状の経過を見るために、脳波を定期的に検査することが必要です。どの程度の間隔で検査が必要かは、主治 医が判断します。

脳腫瘍・脳の奇形などの様々な脳の病気からてんかん発作が起きることがあります。これらの隠されたてんかんの原因を調べるために、CTやMRI、SPECT、脳磁図などの検査を行います。

CT検査は、X線とコンピューターを利用して脳の断面を画像に表す検査です。身体を横にしてじっとしているだけで検査は終わります。痛みは全くありません。

MRI検査は、磁力線を用いて脳の断面を画像化するものです。CT検査同様、身体を横にするだけで苦痛なく検査が行えますが、CT検査よりも時間がかかります。MRI検査で用いる磁力線には全く害がありません。ただし、心臓にペースメーカーが入っていたり、手術などで頭のなかに金属の入っている患者さんなどでは、MRI検査が行えないことがあります。検査の前に簡単な質問を行います。質問には正しく答えて下さい。

SPECT(スペクト)検査は、脳の血流量を知るための検査です。一般に、発作の源(焦点)になっている部位では普段から血流量が少なく、発作の時に急に増加するので、この検査で発作の焦点部位を 推定することができます。ごく弱い放射線を含む薬剤を使いますが、安全性は確立しています。

脳磁図(MEG)検査は、脳波の棘波に伴い発生する磁気を記録する検査で、棘波の発生源を精密に知ることができます。結果は、患者さんご自身のMRIの画像上に示されます。脳波検査も同時に行います。痛みはまったく伴いません。

血液検査は、薬の副作用を調べるために定期的に行います。抗てんかん薬は長期間にわたって服用するため、自・他覚症状がなくても、貧血や肝臓の機能のチェックが必要です。また、抗てんかん薬の投与量が適当かどうか、血液中の濃度の検査も行います。投与された薬の量が適当なのか、過剰あるいは不足しているのか、ひとりひとりの体の状態に合わせて治療計画を立てます。血中薬物濃度は、服薬してから採血するまでの時間によって著しく変化する薬がありますので、指定された時間に採血できるよう協力してください。

2)治療

発作に誘因があれば、それを避けることがまず大切です。特定の刺激(光、模様、音など)や睡眠不足などが誘因になっている場合には、それらを避けるだけで発作がおこらなくなります。

発作が反復する場合や、誘因が避けられない場合のてんかん治療の主体は、抗てんかん薬による薬物療法です。

抗てんかん薬は、てんかん発作を引き起こす脳細胞の過剰発射を抑え、その発射が大脳の中へ広がるのを止めます。発作を完全に抑制し、あるいは完全に抑制できなくても発作症状を軽くするために、長期間にわたって規則正しく薬を飲むことが必要です。

どの薬にも多少の副作用があります。しかし、発作に合った薬を適切な量だけ服用し、定期的に検査を行えば、副作用を防ぐことができます。副作用を恐れて勝手に服用量を調整すると、発作が悪化することがあります。また、妊娠中でも薬の継続投与が必要です。妊娠中に薬を服用すると胎児に奇形が現れる頻度は薬を服用していない人より少し高くなります。妊娠初期の薬の種類や量が少ないほど、この危険性が減少することが知られています。妊娠の可能性があるときには、できるだけ早い時期に主治医に相談することが大切です。

また、発作の治療に外科治療や食事療法が有効な場合もあります。