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5.抗てんかん薬が情緒に与える影響

 抗てんかん薬は発作に対する効果の他に、情緒に対し影響を与える場合があります。
 良い作用としては、例えばカルバマゼピン、バルプロ酸、ラモトリギンといった薬は、気分調整作用といって情緒を安定させる作用を併せ持ちます。なかでもカルバマゼピンやバルプロ酸は気分を落ち着かせる方向で、ラモトリギンは落ち込んだ気分を持ち上げてくれる方向で作用することがあります。
 一方あまり望ましくない作用として、ゾニサミドやトピラマートでは抑うつ気分となったり、指示が入りにくくなったりする方がいます。小児ではあまり認めませんが、成人では幻覚や妄想が現れたりすることもまれにあります。レベチラセタムは情緒が不安定になり、イライラして攻撃的になったりする場合があります。フェノバルビタールも小児では同様に多動となったり情緒が不安定になったりすることがありますが、成人では逆に眠気が増したり活動性が低下したりします。ラモトリギンは前述したように落ち込んだ気分を持ち上げてくれることがありますが、重症心身障害児を含め一部の小児ではその作用が強く出て情緒不安定になり、興奮したり不眠となったりすることがあります。またベンゾジアゼピン系に分類されるクロバザム、クロナゼパム、ベンザリンといった薬では眠気が生じやすく、睡眠導入作用を目的に使用される場合もあるくらいですが、人によっては多動や興奮といった作用が現れることもあり注意が必要です。
 新たに抗てんかん薬を内服し始めて以降、明らかに普段とお子様の様子が異なる場合には、抗てんかん薬による影響の可能性もあるため、かかりつけ医に相談してみてください。