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第1章 発作の観察と記録

観察の仕方

発作を目の当たりにすると、誰でも気が動転しますが、まず冷静になることです。ごく軽い発作や意識を失わない発作では、なにもすることはありません。全身のけいれん発作が5分以上続いたり、一度止まってまた起こるという場合以外は救急車を呼ぶ必要はありません。どのような発作でもきちんと観察しましょう。適切な治療を受けるためには発作の型を正しく医師に伝えることが大切です。観察のポイントは次のようなところにあります。

1.発作を起こしやすい時間と状況

1)すっきり目覚めている時か、ぼんやりして眠気のあるときか、睡眠時では寝入り時か、熟睡時か、朝方か。

2)身体状況では発熱、興奮、睡眠不足など。生活場面では入浴、食事、飲酒、運動など。その他に光、音、テレビの刺激などが関係していないか。

2.発作の始まり方

1)意識の曇りで始まった場合

動作が止まる、応答がなくなる、返事がちぐはぐになるなど。

2)転倒で始まった場合

転倒時の勢いとその方向、姿勢、発声があったか。

3)けいれんで始まった場合

どこから始まったか、眼球、頭部の位置など。

4)動作の異常で始まった場合

表情、視線、発声があったか、呼吸の状態はどうか、どのような動作が見られたか。

3.発作の経過

1)目、頭、体の動きがどのように変わったか。

2)表情、顔色、呼吸の様子がどのように変わったか。

3)けいれんは体のどの部位に広がったか。つっぱっていたか。ガクガクしていたか。

4)自動症では物を飲み込んだり、噛む動作、舌なめづり、物をつかむ、まさぐる、引っ張る、こするなど。

小児では発作前後の状態を訴えられないことが多いので、動作や表情の変化、泣き声などで発作が起きたかどうかを判断します。

4.発作後の様子

1)名前を呼んだ時の反応、痛みへの反応、左右の麻痺の有無、言葉がでるか、興奮やもうろう状態があったか。そのまま眠ってしまったか。

2)発作の記憶があるか、前兆があったか。

記録の仕方

発作は、それぞれ患者さんによって異なります。どの場合でも記録の基本は、発作の様子をありのままに順を追って書くことです。その方法は患者さんの発作にあったノートを作るなどの工夫をしましょう。当院の患者さんが使用している「発作経過表」を紹介しましょう。

発作の様子の記載例をあげます。

○:体を硬くした後、ガクンガクンと大きく両手足を動かす。

△:力が抜けてストンと尻もちをつく。

□:星屑のような点が見える。

次に、発作の時の動きや発声・姿勢等の表現についてお話ししましょう。例えば

1.けいれんの様子:カクカクと小刻みに。ガクンガクンと大きく。

2.転倒の様子:パタンと棒状に。尻もちをつくようにストンと。フワッと崩れるように。

3.頭や目の動き:クックックッと引き寄せられるように。グーッと一気に。頭をカクンと下げる。

4.発声の様子:グオーッと。ヒィーと。

5.姿勢の様子:エビのように丸くかがみ込む。弓なりにそり返る。

これ以外にもその時の印象、気付いた点について記録されると、あとになって診断のヒントが得られることがあります。また携帯などで発作の様子を動画に撮るのも確実な記録になります。

(斎藤澄江)