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第4章 意識が短時間とぎれる発作

今回は、意識が短時間とぎれてしまう発作と体の一部がピクッと動く発作の介助と観察方法について、お話しましょう。

欠神発作

症状

それまで行っていた動作を突然、止め、ややうつむいて、表情がうつろになります。そして目を開いたまま上の方をじっと見つめたり、手に持っていた物を落としてしまったりします。発作が軽い場合には、それまで行っていた動作をゆっくり続けたり、また、簡単な質問には返事をすることもあります。発作が終わるとすぐに通常の状態に戻ります。

この発作はごく短いので、患者さん自身も周囲の人々も気づかないことがあります。ストレスがある時や緊張している時より、平静時やくつろいでいる時に起きやすい発作です。

観察のポイント

動作や表情の変化に注意します。どのくらいの時間で回復するのかを観察します。

対応

通常は、そのままの状態で意識が回復してくるのを待ちますが、名前を呼んだり、肩を叩いたりの軽い刺激で意識が回復することがあります。

持っているものを落とすこともあるので、注意が必要です。やけどの危険に備え、熱い物はあらかじめ遠ざけておくことも必要でしょう。

からだの一部がピクッと動く発作(ミオクロニー発作)

症状

両方の上肢や下肢・足が0.5秒以内のごく短い時間、同時に一瞬ピクッと動きます。このような時、患者さんは「今きた」「今、電気が走った」と表現することがあります。この発作が非常に強い場合には、足払いをされたように転倒することがあります。物を持っている時に、上肢に発作が起きた場合には、持っているものが飛んでしまいます。

観察のポイント

子どもでは、光や音の刺激で、また驚いた時に起きることもあります。手を使って何かをしようとするとき、ゲームをするときなどにおきやすい人もいます。その患者さんがどのような刺激の時に発作を起こしやすいのか、よく観察します。

対応

少しピクッとするだけの時には、観察するだけで充分です。しかし倒れる場合に備えて、生活場面の整理整頓を行ったり、頻繁に打撲する個所を保護することも必要でしょう。

(良知和江)