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第5章 けいれんを伴う発作(強直間代発作)

てんかん発作の中で最も良く知られていて、古くより大発作と言われています。

症状

前ぶれもなく突然起こることがあります。全身が硬くなり、細かなけいれんが左右対称に10~20秒くらい続きます(強直期)。手と足は強く突っ張り、身体はのけぞり気味になります。その後、細かなけいれんから次第にリズミカルな動きになり、30~60秒くらい続きます(間代期)。

強直期には呼吸は止まっていますが、間代期にはいると浅い呼吸から徐々に深い呼吸になるにつれて、口の中の唾液を同時に吹き出してきます。また尿や便をもらすこともあります。

その後、多くは眠りに移りますが、もうろう状態に移ることもあります。

観察のポイント

発作を目の当たりにすると気が動転してしまうかもしれませんが、冷静になり、けがをさせないように見守り、発作の様子を十分観察することが大切です。

対応
  1. イスに坐っていて発作がおきた場合は、平らな場所に寝かせます。
  2. 間代けいれんの時には、頭を床に打ち付けないようにタオルや介助者の手や衣類等で保護します。
  3. 気道の確保:必要であれば、顎を上に押し上げ、一方の手で頭を押さえて、けいれん発作が終わるのを待ちます。呼吸が回復したら顔を横に向け、唾や吐物が気管に入らないようにしましょう。
  4. 食事中に発作を起こした時など、無理に口を開け食物を取り去る必要はありません。力まかせに取り去ろうとすると、歯や口の中を傷つけたり指を咬まれる危険があります。食物が気管に入らないように注意してください。
  5. もうろう状態では、危険物を除き一定の距離を保ちながら、見守りましょう。行動を制御すると抵抗することがあるので、静かに注意深く対処することが必要です。
  6. 尿や便をもらした場合には、恥ずかしい思いをしなくてすむように配慮しましょう。
  7. 発作後、眠りに入った場合、無理に起こさずに休ませます。眠りから覚めた後、意識がはっきりしていれば元の生活に戻してよいでしょう。頭痛や身体のだるさを訴えた時は、しばらく安静にして様子をみましょう。

(井手由美)