情報室てんかんに関する記事・情報源(雑誌や書籍の案内)を掲載します。

海外渡航のアドバイス

観光旅行、留学、業務などで海外に出かける機会が増えています。どんな用向きで出掛けるにしても、あらかじめその旨を主治医に伝えて、しかるべきアドバイスをもらうことが必要です。渡航の可否を判断するにあたって、明確な医学的基準はありません。患者の病状を考慮して主治医が判断します。また緊急時に備え、現地でかかることができる医療機関の確認も行っておくことが大切です。

準備

主治医とよく相談し、注意事項を確認しましょう。

医薬品は多めに持参し、必ず手荷物の中に入れます。予備薬を、別の荷物のなかに入れておくこともすすめられます。頓用薬や坐薬を使うことのある場合には、それらも忘れずに。

緊急時に備えて、日本てんかん学会の発行する英文緊急カード(Emergency card)を携帯すると便利です。主治医に記入してもらいましょう。

海外旅行保険については、てんかんの既往がある場合に加入が難しい場合や加入できてもてんかん発作そのものによる事故は保障されない場合があるため,各保険会社や旅行代理店に問い合わせ、確認のうえ加入するようにします。

英文の病状書

出入国の税関検査で、薬について尋ねられるかも知れません。あるいは、海外で発作が起きて病院の世話になるかも知れません。こんな時に<薬の内容とその所持の必要性を書いた書類>と<医師宛の紹介状>を用意しておけばトラブルは少ないでしょう。いずれも英文で主治医に書いてもらいましょう。

飛行機のなかで

航空機内では睡眠を十分にとるようにしましょう。アルコールはすすめられません。睡眠中に発作の多い方は、主治医とよく相談して対処を考えましょう。

航空機内の環境で発作が増えることはありませんが、発作が多い方は、事前に乗務員に対処方法などを相談しておきます。先の英文緊急カード(Emergency card)を乗務員に渡すとよいでしょう。

時差と服薬

薬は、時差に注意して、現地時間に合うように少しづつずらしながら服用するようにします。

例えば北京に行く時、成田空港から約4時間の飛行、時差は1時間です。1日2分服の場合でも3分服でも、離陸した時点から、現地時刻に合わせて服薬してかまいません。

ニューヨークに行く時、成田から14時間の飛行、時差は13時間です。飛行時間が長いので、2分服の場合も3分服の場合も、1〜2回は機内で服薬します。日本と現地の時刻を見比べながら、徐々に現地での服薬に合わせていきます。帰るときも同様です。

海外滞在中

服薬の忘れ、睡眠不足に注意しましょう。
緊急カードと医師宛の書類は必ず携行するようにしましょう。

海外の医療機関

国により、薬は同じものがあるとはかぎりません。緊急に医療機関を受診した場合のコストは大変かさみます。現地で医療機関にかかる必要のないように準備し、また、服薬の忘れ、睡眠不足などの発作の誘因になりうるものをできるだけ避けるように注意しましょう。

長期滞在の場合

滞在先の病院や医師、てんかん協会などをあらかじめ調べておきます。滞在地での生活が落ち着くまでの期間を見込んで、少々余分に薬がもらえるように主治医に便宜を図ってもらいます。滞在地に居を構えたら、できるだけ早めに照会先の医師あるいは病院に出向きます。英文の紹介状は必要です。現地での保険も必要です。

適当な医師あるいは病院が見つからなければ、日本から薬を送ってもらう方法を工夫します。そして定期的に日本の主治医に健康管理表を送ってアドバイスを受けられるよう依頼します。しかし、緊急の場合に備えて、病状と服用薬を英文で記した紹介状は必ず携行しましょう。上記の英文研究カードも役に立ちます。

自動車運転に関しては各国の法規制が異なることから,その是非に関して確認しておくことが必要です。