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運転に関する学術団体の指針

てんかんと運転に関する日本てんかん学会の考え方は以下の通りです。

てんかんをもつ人における運転適性の判定指針(2001年)

1 てんかん発作が消失し、再発のおそれがない場合、次の条件で運転適性を認める。

(1) 最近てんかんと診断され、治療開始後1年間発作がない場合
(2) 長年にわたって発作が反復していた場合には、2年間の発作消失期間が必要である。その際、脳波に高度のてんかん性異常波が認められてはならない

2 慢性的にてんかん発作が反復する場合は自動車運転に適さないが、次の場合は例外である。

(1) 自動車の運転に支障をきたさない単純部分発作(運動障害、感覚障害あるいは認知障害を伴わない)で、少なくとも1年間の経過観察で発作症状が進展しない場合
(2) 2年間の経過観察で、睡眠中にのみ発作が起こる場合

3 医師の指示により抗てんかん薬を減量(中止)する場合には、薬を減量する期間および減量後の3月間は自動車の運転は禁止する。

再発のおそれがない十分な根拠のある場合(発作抑制期間が長い、総発作回数が少ない、再発のリスクの低いてんかん症候群、てんかん外科治療後の経過良好例)は例外である。
(附)発作がはじめて1回だけ生じたときはてんかんでない可能性を考慮し、以下の場合には、3−6月間の観察ののち運転を認める。
(1) 発作が特定の条件に結びついていて(機会性発作)ー例えば、断眠、アルコール摂取、急性疾患(発熱、中毒、急性脳疾患あるいは代謝疾患)、脳外科手術や脳外傷直後の早期発作などーそのような条件がもはや存在しないと考えられたとき。
(2) 神経学的診察および検査により、てんかんの初発とは考えられない場合。

*大型免許および旅客輸送にかかわる免許
2回以上てんかん発作があった場合には、通常、大型自動車運転ないし旅客輸送にかかわる運転の適性はない。ただし、抗てんかん薬治療なしに5年間発作がない場合は例外である。発作がはじめて一度だけあり、てんかんの初発ないし他の脳器質性疾患とみなされない場合には、2年間発作がないことを確認すべきである。

てんかんと運転に関する提言(2012年10月)

(1)「発作が再発するおそれのきわめて少ないもの」について
( i ) 1年以上、無発作で経過し、その後も同じ治療を継続する場合。
(i i) 1年以上、無発作で経過し、医師の指示により抗てんかん薬を減量・中止し発作が再発したが、以前の治療内容に戻して3ヶ月間発作の再発がなく、その後も同じ治療を続ける場合。なお、抗てんかん薬の減量中ならびに減量・中止後6ヶ月間は運転せずに経過観察する。
(iii) 1年以上、無発作で経過し、医学的・社会的にやむを得ない理由(災害による薬剤入手困難、腹部手術時など)で服薬できずに発作が再発したが、以前の治療内容に戻して3ヶ月間発作の再発がなく、その後も同じ治療を続ける場合。

(2)「発作が睡眠中に限り再発するもの」について
1年以上、覚醒中の発作がない場合。

(3)「発作が再発しても意識や行為に影響を及ぼさないもの」について
1年以上、意識や行為に影響を及ぼす発作がない場合。

(4)てんかんではない発作、診断時点ではてんかんと確定できない発作について
( i ) 誘発発作(急性症候性発作、状況関連性発作)は、その後6ヶ月間発作がなく、原因が除去されている場合。ただし、医師の判断により6ヶ月未満でも、「発作が再発するおそれがきわめて少ないもの」とできる。
(i i) 初回の非誘発発作で、その後6ヶ月間発作がない場合

*大型免許および旅客輸送にかかわる免許について
過去に1回のみ非誘発発作があったものでは、抗てんかん薬なしで5年の経過観察期間に発作の再発がない場合、過去に2回以上の非誘発発作があったものでは、抗てんかん薬なしで10年の経過観察期間に発作の再発がない場合のみを除外規定とする。