入浴は、健康な生活を送るために欠かせません。しかし発作を起こして浴槽で溺れたり、浴槽や水道の蛇口などで打撲したりすることがあります。
入浴による体温上昇が原因で発作が起こる入浴てんかんはきわめてまれです。また、洗髪などの刺激が発作の誘因になることもまれです。入浴に限らず、リラックスしたときに発作がおこりやすい人が多いようです。以前に入浴中に発作があった人は、医師に相談して下さい。
入浴する時に心掛けたいことは、
- シャワー浴はもっとも安全です。
- 風呂場には危険な物は置かず、整理整頓し、セラピーマットなどを敷いてすべらないようにするとよいでしょう。
- 発作が頻発している間は、入浴を中止します。どうしても入浴したい場合は、家族の人に一緒に入ってもらうか、そばにいてもらいましょう。
- ひとりで入浴する場合は、家族の人に「今からお風呂に入るからね。」と声をかけてから入ることを習慣にしましょう。家族の方には、ときおり声を掛けてあげたり、様子をみるなどの配慮をお願いします。
- 熱傷を起こすこともあるので、火を止めてから入浴します。シャワーでは湯加減の調整が大事です。
- もし入浴中に発作が起きたら、浴槽から出して介護します。水をのんでいないかを確かめます。溺水状態であれば、救急処置を施します(ご本人が重くて浴槽から引き出せない場合は、まず浴槽の栓をぬき排水させましょう)。
けいれん発作だけでなく、ごく軽い意識減損発作でも、溺れて大事に至る場合があります。てんかん発作をもつ人にとって、浴槽は危険な場所のひとつであると認識しておきましょう。