神経心理検査は高次脳機能障害の有無を調べるために行われます。言語・思考・認知・記憶・行為・注意などの高次脳機能障害を数値化し、定量的・客観的に評価します。
てんかんの神経心理検査の目的は、(1)てんかん発作・てんかん罹病の高次脳機能への影響、(2)薬剤の高次脳機能への影響、(3)てんかんの背景病変の影響、を調べることです。外科手術に際しては、手術による高次脳機能障害の出現を回避するために必ず行います。
主な神経心理検査には以下のものがあります。
- 知能検査:WAIS-3(成人用)、WISC-3(児童用)、田中ビネー知能検査
- 記憶検査:WMS-R(ウェクスラー式記憶検査)、三宅式記銘力検査、ベントン視覚記銘力検査、レイ複雑図形検査(ROCFT)
- 前頭葉機能検査:WCST(ウィスコンシンカード分類検査)、語彙流暢性課題、トレイルメイキングテスト、ストループテスト
- 注意力検査:標準注意力検査(CAT)
- 遂行機能検査:遂行機能障害症候群の行動評価(BADS)
- 言語機能検査:標準失語症検査(SLTA)
- その他:標準高次動作性検査(SPTA),標準高次視知覚検査(VPTA)