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Q&A

脳波検査はなぜ必要ですか?

てんかんの脳波検査には、診断と治療経過をみるための2つの目的があります。

<1>診断のための脳波検査

なんらかの発作症状が見られた時に、それがてんかん発作であるか、てんかん以外の病気によるものかを鑑別するために、脳波検査は欠かせません。てんかん発作が実際に起きている時の脳波(発作時脳波)は重要な情報をもたらしますが、通常の検査で記録されることはまれです。しかし発作のない時の脳波(発作間欠時脳波)にも、その人特有のてんかん性所見がみられ、診断に役立ちます。

1回の脳波検査でてんかん性異常が検出される率は40%〜50%です。繰り返し検査したり、睡眠時の検査を行うと、検出率は70%〜80%に上昇します。

より長い脳波検査を行って異常脳波の有無や性状を確認したい場合、発作を記録する必要がある場合には、入院による長時間脳波検査を行います。

<2>治療経過をみるための脳波検査

A)治療の初期段階

選択された薬剤が有効か否かを、脳波検査で予測できることがあります。治療の結果、発作頻度が変わらなかったり、逆に増加するような場合には、脳波検査を反復して薬の影響を確認します。小児ではてんかん性脳波所見が経過と共に変わることがありますので、薬の調整中に頻回に脳波検査を行うことがあります。

B)治療の維持段階

抗てんかん薬の適剤・適量が決まり、発作頻度が減少し、又消失した時も、定期的に脳波検査を行います。一般に、発作が消失してもてんかん性脳波異常が消えるまではしばらくの期間がかかります。定期的に脳波検査を行い、脳波所見の増悪はないか、改善はどの程度かを調べ、薬の量の変更が必要かどうかを検討します。たとえ発作が抑制されていても、定期的に脳波検査を行うことがすすめられます。

C)治療の終了段階

発作が完全に抑制され、脳波異常が見られない状態が続いていれば、薬の減量・中止を考えることができます。

発作が数年間なく、てんかん性脳波異常も消失していれば、服薬中止の一つの基準となりますが、絶対ではありません。その際には薬を徐々に減量し、減量中にも脳波検査を行います。中止までにどれほどの期間が必要かは、人によってことなります。薬を中止したあとにも1〜2年に1回は脳波検査がすすめられます。