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薬物治療の基本を教えてください

薬物治療の目標

薬物治療の目標は、てんかん発作を副作用なしにコントロールし、発作によって生活に支障が出ないようにすることです。このためには適切なてんかん発作およびてんかんの診断が必要です。

薬物治療では単剤治療が基本です。単剤治療では薬物の相互作用を避けることができ、副作用の管理が容易になります。副作用のでない最大量まで使用して有効性を判断します。副作用を予防し、発作を悪化させないために、ゆっくり薬剤を増減することが大切です。

1種類の単剤で効果が得られない場合には、別の単剤に置き換えます。ゆっくりと別の薬を増量し、目標とする量に達してから最初の薬を減らしていきます。

単剤投与で効果が乏しいときには2剤目が追加されます。多剤治療では薬物間の相互作用が生じ、副作用の危険性が増加し、治療効果の判定がやや困難となります。

単剤にしても多剤にしても、1-2年間発作が抑制できなければ、専門医の受診がすすめられます。専門医はもう一度診断を見直し、薬物の効果を再点検し、今後の方針を組み立てます。発作の抑制が困難な場合には、外科治療や食事治療なども考慮に入れます。

薬物の選択

薬物選択においては、年齢、性別、てんかん診断、てんかん発作型、妊娠の可能性、合併疾患の有無、服用している他の薬、薬物代謝の個人差などが考慮されます。

発作型毎に有効な第1選択薬、第2選択薬、そして無効薬が小児・成人別にガイドラインなどで示されていますので、まず、てんかん診断・発作型に基づいた薬物がいくつか選択され、ついでその人の特性を考慮しつつ選択肢が狭められて行きます。例えば、脳血管障害のリスクがあって抗凝固剤を服用している高齢者であれば、できるだけ相互作用のない薬物を選びます。うつ病の既往のある人であれば、できるだけ気分に影響を与えない薬物を選択します。

選択された薬が副作用などで合わないこともあります。その場合には次の選択薬を使用します。

薬物の継続

薬物が選択されたら、その人の体重や副作用などを目安に量が調整されます。その量が発作の抑制に適切であれば、継続することが治療の基本になります。患者さんは忘れないように薬を服用することが大切です。服薬が不規則であれば体内の薬の量が安定せず、治療の目的が達せられないからです。

どれくらい薬物を継続するかは、発作の抑制の程度はもちろんですが、てんかん診断や検査の所見、その人の社会的状況などにも依存します。2-3年間は発作のない状態を維持することが最低条件ですが、その先も同じ量で継続するかどうかは、主治医とよく相談して決断します。

薬物治療をいつやめるか?

発作が長年抑制され、検査所見も良好であれば、治療の終了を考慮することができます。薬はゆっくりと時間をかけて減量します。脳波所見に変化がないかどうかもときおりチェックします。発作の誘因となっていたことがあれば(例えば睡眠不足など)、今後も避けるようにしましょう。

なお再発のリスクは、発作のなかった期間が長ければ長いほど減ってはきますが零ではありません。人によってはどうしてもリスクを負いたくない状況にいる場合もあるかもしれません。主治医とよく相談しましょう。