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Q&A

てんかんの食事療法

1.てんかんの食事療法について教えてください

薬でなかなか良くならないてんかんや、手術のできないてんかんの治療法として、当院では食事療法を取り入れています。適応の有無は個々の患者さんにより異なりますので、薬を工夫しても良くならない、あるいは手術できない難治てんかんで困っておられる方は一度担当医に相談してみられるのもいいかもしれません。食事療法にはケトン食療法、修正アトキンス食療法などがあります。てんかんの食事療法についてのより詳しい情報は NPOケトン食普及会のホームページもご覧ください。

2.ケトン食療法について教えてください

主に小児のてんかんを対象としています。脂肪が多く炭水化物(糖質)が少ない食事で、脂肪、たんぱく質、糖質・炭水化物の比率を一定になるように毎食計算します。必要に応じ特殊専用ミルクを併用しながら医師と栄養師の管理のもとで施行します。1921年から使われていますが1995年以降にアメリカで急速に普及し、ケトン食療法に関する研究報告は飛躍的に増加しています。点頭てんかん(ウエスト症候群)から部分てんかんまで様々なタイプのてんかんとあらゆる発作型に有効である可能性があり、半分の患者さんで発作頻度が半分以下になるという報告が多いようです。有効な場合は数年間食事療法を続けた後に徐々に緩めながら中止します。外国の小児病院には「ケトン食専門外来」が多いですが、日本では限られた施設でのみ続けられているのが現状です。ケトン食療法には低血糖・体重減少・発育障害などの副作用がありますが重篤なものはなく、絶食期間のない穏やかな開始方法により安全に施行できるようになってきています。

3.修正アトキンス食療法とはどのような治療法ですか?

食事の特殊性からケトン食療法はほぼ小児に限られていましたが、成人にも施行できるように導入されたのが修正アトキンス食療法です。成人肥満の治療目的でアメリカにおいて開発されたアトキンス食療法をてんかん治療に合わせて修正を加えたもので、脂肪を多めに摂取するのは同じですが、ケトン食療法とは異なり食事中の糖質・炭水化物の総量のみを制限するので、より簡便な方法です。外国では成人のてんかん患者さんにも有効性が確認されつつあります。ケトン食療法を続けられない子供さんにも試みる価値があるでしょう。

(静岡てんかん神経医療センター小児科 今井克美)