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Q&A

修正アトキンス食療法とはどのような治療法ですか?

 アトキンス食とは、アメリカのアトキンス氏が提唱した低糖質食のことで、体重減少、すなわちダイエットを目的とする食事療法でした。一方てんかんの治療に用いるのは、このアトキンス食の方法に修正を加えた修正アトキンス食療法で、ケトン食とほぼ同等のてんかん発作に対する効果を期待します。
 ケトン食療法では、脂質やタンパク質および糖質(炭水化物から食物繊維を除いたもの)の摂取量を厳密に計算する必要がありましたが、修正アトキンス食療法では、糖質を乳幼児では10g、成人では15~20gまで制限する以外に、タンパク質やカロリー制限を必要としません。一方脂質に関しては、できるだけ多く摂ることが推奨されます。食事内容の管理の容易さやメニューの内容から、特に成人の方にはケトン食療法より実施しやすいようです。
 また最近ではてんかんの食事療法として、摂取する糖質を、食品に含まれる糖質の吸収されやすさを示すグリセミック指数の低い糖質に限定して、修正アトキンス食よりさらに糖質の摂取量を緩和し40~60gまでは可とする低グリセミック指数食も提案されています。
 修正アトキンス食療法や低グリセミック指数食など、ケトン食療法と比較し制限が緩和された食事内容が可能となり、さらにてんかんの食事療法が実践しやすい環境になってきたと言えるでしょう。
 一方でいずれの食事療法にも食事内容の偏りから副作用が生じる可能性があり、医師の指導の下で行われるべき治療法であることは言うまでもありません。原則として入院で導入し、一定の期間は副作用が生じないか十分な観察を行い実施します。