てんかん情報センター

てんかん情報センター > FAQs > こころとからだ > てんかんが取り上げられている映画を教えてください

Q&A

てんかんが取り上げられている映画を教えてください

 てんかんは約100人のうち1人が有するとされる身近な病気であり、登場人物が抱えている病気として、あるいは主題そのものとして、映画やドラマに取り上げられることがあります。ここではてんかんが扱われている主な映画あるいはドラマを紹介いたします。これらの映画が、身近な人にてんかんという病気を知ってもらうことや、てんかんの様々な側面を理解することに役立つかもしれません。純粋に娯楽映画として楽しめる作品もありますので、一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。

『レインマン』
(Rain Man)
1988 アメリカ 主演:ダスティン・ホフマン
   トム・クルーズ
自由奔放な青年と、サヴァン症候群の兄との出会いと人間としての変化を描いたヒューマンドラマ。第61回アカデミー賞、第46回ゴールデングローブ賞、第39回ベルリン国際映画祭で作品賞を受賞。
サヴァン症候群では、知的障害や発達障害があるものの、特定の分野に限って優れた能力を発揮できる。イギリスのレインマンとも言われる、ダニエル・ポール・タメットは、暗記・暗算や言語学習関して非常に高い能力があり、てんかん発作があったことも知られている。
『卵』『ミルク』
『はちみつ』
2007/2008/2010 トルコ 監督:セミフ・カプランオール
詩人ユスフの壮年期を描いたのが『卵』、青年期を描いたのが『ミルク』、幼少期を描いたのが『蜂蜜』である。3作品に共通のキーワードの一つがてんかん発作であり、『卵』『ミルク』では、ユスフ自身の発作が、『蜂蜜』ではユスフの父の発作が抒情的に描写されており、『蜂蜜』は第60回ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞。
『静かなる生活』 1995 日本 監督:伊丹十三 
主演:渡部篤郎、佐伯日菜子
大江健三郎原作。絵本作家を目指すマーちゃんには、大学入試を控えた弟オーちゃん、障害を抱きてんかん発作もある音楽に非凡な才能を発揮する兄のイーヨーがいる。作家のパパと優しいママもいたのだが、パパがふとしたことから家長のプレッシャーに耐えられず、招かれていた海外の大学講師を引き受けてママと共に渡航してしまった。両親の留守を引き受けたマーちゃんがイーヨーたちの面倒を見ることに。
『クレオパトラ』
(CLEOPATRA)
1963 アメリカ 主演:エリザベス・テイラー
   レックス・ハリソン
紀元前48年、ローマ帝国の執政シーザーはポンペイウスを追ってエジプトのアレクサンドリアに入城するが、そこで女王クレオパトラに出会い、彼女の知性と美貌の虜になってしまう。クレオパトラは覗き穴からシーザーがてんかんであることを知る。ハリウッドの黄金時代を象徴する、豪華絢爛なスペクタクル史劇。第36回アカデミー賞(撮影賞、美術賞、衣装デザイン賞、特殊効果賞)を受賞。
『コントロール』
(CONTROL)
2007 イギリス・アメリカ 主演:サム・ライリー
イギリスのロックバンド「ジョイ・ディヴィジョン」のボーカル、イアン・カーティスの半生が描かれている。イングランド北東部の田舎町に育ったイアンは、恋に落ちてデボラと結婚。19歳の若さで家庭を築いた彼は、地元の職業安定所で働きながら、バンド活動をはじめる。しかしロンドンで初ライブを行った22歳の時に、イアンは原因不明のてんかん発作に見舞われる。
『誤診』
(first do no harm)
1997 アメリカ 主演:メリル・ストリープ
ローリの息子ロビーが突然発作に襲われ、てんかんと診断される。内服治療を始めるが、難治の経過を辿り、次第に経済的にも追い詰められていく。映画では、母ローリが食事療法(ケトン食療法)にたどり着くまでの、抗てんかん剤治療とその副作用、外科療法などてんかん治療をめぐる様々な問題が描かれている。ケトン食療法は、糖・炭水化物を制限した食事を摂取することで体内でのケトン体の生成を促進し、発作抑制効果を発現する治療法である。
『プリンス~英国王室 もうひとつの秘密~』
(The Lost prince)
2003 イギリス 主演:マシュー・トーマス
てんかん、発達障害を持ち幼少で夭折してしまったジョージ5世の息子ジョン王子の短い人生が描かれている。激動の20世紀初頭のヨーロッパを舞台に、サラエボでのオーストリア皇太子暗殺に始まった第一次世界大戦勃発と、英国王室の混迷などの歴史的背景とともに、現在のイギリス王室ウィンザー朝の名前の由来なども明らかにされている。BBC制作のTV映画で、前後編で構成。
『恋のためらい/フランキーとジョニー』
(Frankie and Johnny)
1991 アメリカ 主演:アル・パチーノ
   ミシェル・ファイファー
詐欺罪で服役していた40代半ばのジョニーは妻子と別れ、出所後ニューヨークの大衆レストランで働くことに。そこで彼はウェイトレスのフランキーを好きになるが、彼女は過去のつらい恋の経験から、もう二度と恋はしないと誓っていた。ある日レストランの客がけいれんを起こして倒れるが、その客のペンダントから、てんかんであることに気づく。
『奈緒ちゃん』 1995 日本 監督:伊勢真一
重度のてんかんと知的障害をもつ少女“奈緒ちゃん”。彼女が家族に育まれ、家族が彼女に育まれた少女時代12年間を記録したヒューマン・ドキュメンタリー。95年度キネマ旬報文化映画ベストテン第2位、第6回文化庁優秀映画作品賞 、毎日映画コンクール記録映画賞グランプリなど多数の賞を受賞。なお本作には続編として「ぴぐれっと」(2002)、「ありがとう」(2006)、「やさしくなあに」(2018)があり、その後の家族の物語を描いている。
『白痴』 1951 日本 主演:森雅之、三船敏郎、原節子
ドストエフスキー原作、監督黒澤明。戦後の北海道を舞台に、てんかんをもつ純粋無垢な青年、亀田を主人公として繰り広げられる愛憎劇。亀田と、復員途中で知り合った金持ちの息子・赤間。なぜか気の合うふたりは赤間の故郷・札幌の写真館で、ふと美しい女性・妙子の写真を見た。まもなく3人の、そして周囲をも巻き込むドラマが始まる。